nobuokondo’s diary

近藤伸夫の日記のようなもの

冷たいアレ・・私にとっては 麦茶。

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現代では冷たくて美味しいもの・・・アレコレ思い浮かぶ。ただ人生最高の冷たいアレといえば、麦茶だ。なあんだ麦茶かと思われるかもしれないが。アノ麦茶のことは絶対に忘れない。

私は68年間生きているが、その麦茶に出会ったのはおそらく8歳くらいの頃だ。

私は福井県今庄という鉄道で栄えた町に住んでいた。夏に母方の親戚である新潟県中頸城郡柿崎町米山寺へ母と二人で行くことになった。その頃の鉄道はまだ電化されておらず蒸気機関車の鈍行であり、おそらく8時間ほどかかったのではないかと思う。冷房などもなく、窓を開け放してある車内には夏休みのためか人がぎゅうぎゅうにいた。少しは座ることもあったのだと思うが乗換が多く、乗り換えるとまた立っているしかなかった。暑くて暑くてたまらなかった。あんなに暑かったのに熱中症などでなかったのは不思議でならないが、おそらく最高気温も30度くらいまでだったのであろう。

新潟県直江津駅だったと思う。ここでまた乗換だ。また立ってたいた。停車時間も長く、もうくたくただった。そのとき聞こえてきたのだ「冷たーい 麦茶~」と叫ぶ物売りの声。確か20円だった。紙コップに入った麦茶を母が買ってくれた。

「うまい!!!」宮川大輔の10倍以上で「うまい」と心で思った。その紙コップを母と二人で飲んだ。あんなにうまかった飲み物を私は知らない。もちろんのどが乾ききっていたという状況がそう思わせたことも理解している。しかし、あの情景と母と知らない土地・・・それらが混じったものがあの旨いとおもった麦茶とともにずっと一生残るのだと思うし、消えたら寂しい。

9年前に他界した母のために 今度の墓参りには麦茶を持っていこう。

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